Nikon F4S

Nikon F4Sについてごにょごにょ。
管理人の独断と偏見で書いてますので、駄文長文はお許しを(^^ゞ。

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お顔拝見

お顔 いやいや、やっぱりF4には50mm標準レンズが似合いますね。世の中最近でこそズームレンズ主体ですが、基本はやっぱり50mmでしょう。自分の足で動いて構図を決め、絞りで被写界深度をコントロールして撮影する基本は、この標準レンズが一番わかりやすいのです。やっぱり今でもF5やF6のカタログ写真はこの50mm f1.4がついた画像が使われてますよね。

ジウジアーロデザインのボディはグラマラス(死語?)で迫力があります。1世代前のF3が直線的なデザインだったのに対し、F4Sでは直線と曲線を取り入れたデザインとなっていて、他のNikonカメラとは一線を画するデザインです。従来F一桁というと金属ボディでその信頼性をアピールしていたような気がしますが、このF4SはF一桁の中で唯一外装がプラスチック製。まぁ、フレームにアルミダイキャストを使ってますから基本的な強度は総金属製と大差無いんでしょうが、使っているうちにテカってくるのは避けられません。

後継機のF5では一体型となってしまったバッテリーパック兼縦位置グリップですが、F4は縦位置グリップの無いノーマルのF4を基本として、ハイパワーバッテリーパックを装着したF4S、マルチパワーバッテリーパックを装着したF4Eと3モデル存在します。縦位置グリップ機能が付いて6本の単3乾電池を収納したF4Sでも縦方向の大きさはF5よりも小さい。しかも、必要に応じて付けたり外したり出来るので非常に便利だなぁと思います。F5ってでかすぎだもん・・・。

すっきり後ろ姿

後ろ姿 フィルム1眼レフだけあって、さすがに後ろ姿はすっきりです。後ろから見えるのはファインダー、アイピースシャッターのレバー、巻き戻しようのレバー、裏蓋のフィルムチェック窓ぐらいなもんです。あ、左の下の方にちょこんとレリーズ用のソケットが見えますね。メカニカルなレリーズが使えるのは結構便利かも(持ってないけど)。裏蓋はマルチコントロールバック MF-23を付けると結構ごちゃごちゃした感じになりますが、付けたときの出っ張りが気になって(鼻が当たるのよ)結局そのまま使ってます。

ファインダーはNikon高級機共通の丸形アイピース。アイピースはネジになってて取り外せ、視度補正レンズやアングルファインダーなどのアクセサリーが取り付けられるようになってます。アイピースの左に有るのがアイピースシャッターのレバー。これを倒すと赤色のアイピースシャッターが閉まるようになっています。シャッターの色が赤いのは、「シャッター閉まってますよ〜」と視認性を上げるためなんでしょうね。

F4SはF4にハイパワーバッテリーパックMB-21を取り付けた物、下の方のコインで回せるようになっているネジで3脚ネジ穴に固定するんですが、これが結構緩みやすいんですよ。個体差かなぁ?F4は単3電池4本をグリップ内に収納するのですが、このMB-21には単3電池6本が入ります。その他の機能として、後ろから見えるのはバッテリーチェック機能ですかね。左下に小さいスイッチとLEDが付いていて、スイッチを押すとLEDが点灯してバッテリーの残量が十分かどうかを判断出来ます。乾電池用とNi-Cd電池用でLED表示が違うのが芸の細かさ。

おぉ!ダイヤルがいっぱい!

上から F4の真骨頂、ダイヤルが所狭しと並んだ軍艦部。シャッターレリーズ周りが電源ロックスイッチ兼給送モード切り替え、その手前に露出補正と露出モード切替ダイヤル、その左にはシャッタースピード切り替えダイヤルが並んでいます。現行のカメラはこの軍艦部右側が液晶パネルになっている物が多く、情報表示としては適切なのかもしれませんが、やっぱり「ぱっと見て分かる」ダイヤル設定の方が分かりやすいんですよね。

左側に目を移すと、Nikon伝統の巻き戻しクランクが。巻き戻し自体はシャッターダイヤルと露出補正ダイヤルの間にあるR1レバーと、背面左側に付いてるR2レバーを使って自動で巻き戻せるんですが、現在のF6まで継承されている「電池が無くなっても撮影済みのフィルムは取り出せます」てなこだわりが、さすがはプロ機!って感じです。この巻き戻しクランクの周辺はISO感度切り替えダイヤルになってて、DX自動〜ISO6400まで設定出来ます。ん〜、ISO6400なんて使った事ないなぁ。

ペンタ部分は視野率100%を確保するために巨大なプリズムが入っているのでばかでかく、頭頂部にアクセサリーシュー、前面にはファインダー内表示用の採光窓が付いています。白い窓だからってホワイトバランス設定用の採光窓ではありません(+_+)。標準装備のマルチフォトミックファインダーはF一桁伝統の交換式、ファインダー左のレバー1つで着脱出来ます。交換用のファインダーは「ウェストレベル」「高倍率」「アクション」の3種類用意されてますが、使った事はありません・・・。

ファインダー横にもダイヤルが

横にもダイヤル 真上から見えない部分があるので、斜め横から。ファインダーの横に付いているのは左から視度補正ノブ、測光モードセレクトダイヤル、露出補正指標と調整ネジです。管理人、眼鏡着用なので必ずと言っていいほど視度補正するんですが、D70みたいなスライド式のレバーだと、ファインダーを覗いたまま調整しにくいんですよね。F4Sは引っ張って回すタイプのノブなので調整もしやすく、押し込んでおけば回ってしまう事もありません。

測光モードセレクトダイヤルは中央がロックボタンになっているので、不意に回ってしまうと言う事がありません。F4Sはファインダー部分にマルチパターンの測光機能を持っているので、マルチパターン測光機能の無いファインダーに付け替えたときには切り替えが不要なので、ここにセレクトダイヤルが付いているんでしょう。

カメラ全体としては当然露出補正機能を持ってますが、マルチパターン測光はファインダー部で測光するため、ファインダースクリーンを交換するとボディ側の測光値とファインダー側の測光値にずれが生じる事があります。これをキャンセル出来るようにしているのが、ファインダーに付けられている露出補正機能なんですね。これもF一桁ならではの機能です。

レンズに付いてる絞り環が見えますが、ここの絞り値数値が大小2段で書いてあるのも今となってはNikonならではでしょう。最近の機種ではレンズ側絞りを最大絞りでロックして、カメラ側で絞り制御する機構が一般的ですが、このF4Sは直接絞り環を操作するので、ファインダーから絞り値が判読出来るように小さい窓があり、レンズ絞り環上の小さい方の絞り値が直読出来るようになっているんです。

ダイヤルダイヤル〜♪

ダイヤル♪ さて、管理人お気に入りのダイヤルたち(へ?)です。レリーズボタンの周りに付いてる給送モードセレクトダイヤルですが、隣のロックボタンを押さないと回らないので、誤動作防止に役立ってます。給送モードはS:1コマ巻き上げ、CH:高速連続巻き上げ、CL:低速連続巻き上げ、CS:超低速連続巻き上げ、セルフタイマーとなっており、連続巻き上げ時は CH:5.7(4.0)コマ/秒、CL:3.4(3.3)コマ/秒、CS:1.0(0.8)コマ/秒(※()内はハイパワーバッテリーパック無しのF4)と言う速度です。巻き上げ速度は現行機から比べると大した事無いですが、たまに間違えてCHなんかに設定してたりすると((アタフタ(^^;)(;^^)アタフタ))みたいな。

露出補正ダイヤルは1/3EVステップで2EVまで補正出来、これもロックが付いてて勝手に回ったりしません。その脇にちょこんと付いてるレバーが露出モードセレクトレバーです。入門機みたいな「ポートレートモード」なんてのは当然付いてなくて、PH・P・S・A・Mの5モードのみ。PH・P・Sはレンズ側の絞り環を最小絞り値でロックすると使えます。このモードにすれば最新のGレンズでも使えるんですよっ!ちなみにPHはプログラム高速モードで、シャッタースピードが速いセッティングになっているそうです。

手前2つのレバーは右が多重露光レバー、これをぐいっと引くと多重露光が出来る(使った事無い・・・)んですね。その左はR1レバー、ロックを外して手前に引くとフィルムの巻き戻しが出来ます。巻き戻しはクランクで手動でも、モーターで自動でも可。んで、一番大きいのは見ておわかりのシャッターダイヤル。シンクロ速度1/250秒を示す赤色が目を引きます。露出補正は1/3EVステップですが、シャッタースピードと絞りは1段ずつしか切り替えられないので、基本的にはAE:露出補正という使い方が一番いいのかも。でも、プロの中には特注で1/2段ずつ変えられるシャッターダイヤルにしたり、半絞りのクリックを追加したりという方も居たようです。

クランクくるくる

クランク 脈々と連なるF一桁の血統(大げさ?)、巻き戻しクランクです。さっきも書きましたが、電池が切れてもフィルムが取り出せるってのはプロカメラマンにとって非常に大切な事だと思うんですが、いかがでしょう?かく言う私も電池切れでは有りませんが、装填ミスしたフィルムをベロだけ残して巻き戻す時にはお世話になりました。

このクランクをくるくる回して巻き戻すか、見にくいですけどR2レバーを倒して自動で巻き戻し、△マークの裏蓋ロックレバーを引きつつ巻き戻しクランクを引き上げると裏蓋が開いてフィルムが取り出せます。ISO感度設定ダイヤルは左奥のロックボタンを押しながら回して設定します。F4Sってあちこちロックボタンがあって誤作動は防止出来るんですが、ちょいとめんどくさいというか。まぁ、この辺は頻繁に変えるところではありませんけどね。

手前にちょこんと付いてる赤色LEDは外部警告用LED。外部警告と言っても、DXエラーやフィルム巻き戻し中表示、フィルム終端表示など、主にフィルム関係の警告に使われてます。巻き戻し以外でここが光ると、フィルム関係がなんかおかしいぞ〜って感じですね。

レバーやボタンがいっぱい

前左 前右 かなりすっきりだった背面に比べて、前側はレバーやらボタンやらが色々くっついてます。レンズ左側は上からプレビューボタンとミラアップレバー、フォーカスロックボタンとダブルロックレバー、AEロックボタンです。グリップ上にはセルフタイマーのLEDが申し訳なさそうにさりげなく付いてます。う〜ん、控えめでいいかんじ。あ、縦位置レリーズボタンも見えますね。この縦位置レリーズにもロックが付いていて、不用意に押せないようになってます。

プレビューボタンは最新機種のようにモーターで絞られる機構ではなく、ボタンを押し込むと機械的に絞りが絞られる構造のため、結構硬いです。このプレビューボタンを押し込んだままミラアップレバーを倒すと、ミラーアップされます。フォーカスロックボタンは名前の通りAFをロックするボタンですが、ダブルロックレバーを下へ倒すと、AF・AE同時ロックのボタンになります。個別にロックしたい場合はレバーを写真の位置のまま、AFロックボタンとAEロックボタンを使い分ける形です。F4Sってグリップ太い上にこんな位置にAF・AEのロックボタンが付いてるから、ちょっと押しにくかったりします。まぁ、あまり使わないからいいけど。

レンズ右側にはレンズ着脱ボタンとフォーカスモードセレクトダイヤル。Nikonの正式名ではダイヤルってなってるけど、どう見ても「フォーカスモードセレクトレバー」ですよね。フォーカスモードは動態予測機能付きのC:コンティニュアスモード、S:シングルAFモード、M:マニュアルフォーカスモードがあります。AF・MFレンズ側に切り替えスイッチがある場合はここを操作しなくても切り替わります。

右肩の所に付いてるのはシンクロソケット。昔通っていた撮影会はスタジオでの大型ストロボ撮影が多かったので、ここのキャップは無くなっちゃいました。右下のはMB-21に付いてるリモートターミナル。電気的にレリーズが出来るリモートコードが使えるようになってます。

合体ロボ

合体変身! 購入時はMB-21標準装備のF4Sとして買いましたが、後で中古屋のジャンクコーナーに割と綺麗なF4標準グリップMB-20が500円で置いてあったのを見て速攻買い。MB-20を付けて標準サイズのF4にすると結構スマートです。縦位置グリップが有るとカメラバッグとかも結構選ぶんですが、この状態なら薄目や小さめのカメラバッグでも十分入ります。

この状態にすると巻き上げ速度がCHでも4.0コマ/秒に落ちてしまうんですが、管理人にとってはぜ〜んぜん問題有りません。レースとか撮ってる訳で無し、巻き上げ速度だけ速くても、F4のAF速度だと動いてる物とか結構きついですからねぇ。それに、MB-20は電池4本なので、電池購入時の無駄が無いんですよ。MB-21だと6本単位だから、どうしても余ったりするし。

んで、この外した縦位置グリップ、必要なときはカメラバッグに押し込んで持っていったりします。F100とかの縦位置グリップみたいにL字型じゃなくて、2つに別れるのでちょっとしたカメラバッグの隙間が有れば押し込めるんですよ。電源部分も外す事になっちゃうので、出して直ぐ撮影!みたいなシチュエーションだとちょっと難しいですが、なるべくコンパクトにまとめて、なおかつ縦位置グリップが使いたい状況なんかだと重宝してます。

広々ファインダー

F4ファインダー D70ファインダー
左がF4S、右がD70のファインダーです。同じデジカメで同じ画角で撮影しているので、実際の見え具合と同じになっているはず。いや、しかし、実際D70のファインダーを覗いたときに「狭いなぁ・・・」と思ったのも当然、これだけの差があるんですからねぇ。ファインダーのスペックはF4Sが視野率100%、倍率0.75倍、D70が視野率95%、倍率0.75倍。スペックだけ比較すると倍率同じだし、大差無いかなとも思うんですが、D70はAPSサイズですから、当然1/1.5のサイズになってしまうので、これだけ小さくなっちゃうんですね。

もう一つ重要なのは、ファインダーでのピント確認のしやすさ。D70は普及価格帯という事もあって、ファインダースクリーンは固定で透過率の高い物。当然ピントの山は見にくくて、マニュアルフォーカスはかなり厳しいです。それに比べ、F4に50mm f1.4を付けたこの見え方、ピントの合ってる所はシャープで、前後のボケが非常によく見えます。さすがに見たまま写るという訳にはいかないですが、これなら被写界深度の浅いレンズでも十分マニュアルフォーカス出来ます。F4が「究極のマニュアル機」と言われる所以でもあります。

その後・・・

F4Sを買ってもう7年。買った当時はやはり撮影会に頻繁に出かけていただけあって使用頻度も高く、機材も着実に増えていったんですが、さすがに中国へ出向になった当時は重くてかさばるという理由から、餞別でもらったOLYMPUS ME Superとkosina 20mmを持って旅立ちました。まぁ、後からF4Sも連れてきたんですが、撮影頻度もそれまでとは比べられないぐらい低く、実際に活躍していたのは購入してから最初の2年ぐらいと言う事になりますね。

中国に来てから撮影頻度が落ちたのは、やはりデジタルカメラでのスナップがメインになり、わざわざ重たいF4Sを持ち出さなくても・・・と言う理由です。元々風景は気合いを入れて撮る方ではないし、コンパクトデジタルカメラでもそこそこの写真が撮れてしまうし、こちらの写真屋でのフィルムの扱いが荒くてフィルムに傷が付いてしまうのに幻滅。きちんとしたラボに出せば問題無いのかもしれませんが。 そんなこんなで撮影会という物に出たのは2002年8月が最後。それも撮りっぱなしでスキャンすらしてない状態ですので、ページの方に載ってるのは2000年の分が最後になってしまってます

まぁ、でもやっぱり自分で初めて買った1眼レフですし、それなりに愛着もあるし時たま取り出してはスリスリ(するかっ!!)じゃなくて、メンテしたり撮影したりはしています。2005年の春ぐらいに久々にストロボを付けて撮影しようと思ったら、ストロボが全く動作せず、D70用に買ったSB-600でも動作しないので本体の故障を疑いました。一時帰国時に修理に出したらやっぱり故障とのことで入院。ついでにおそらくもうすぐ部品欠如で出来なくなるであろうオーバーホールに出したので、今は快調そのもの。使用頻度は落ちたけど、手放さずにいつまでも使ってあげたいカメラです。