1974年のミクロマン及び変身サイボーグの商品封入カタログに、右の「ビクトリー計画」ストーリーが掲載された。ビクトリー計画とは、玩具として規格の違う変身サイボーグとミクロマンを、ジョイントのアタッチメントを用いて合体させる、遊び方の提案であり、これによって変身サイボーグとミクロマンのユニバースが、完全に同一の物であると定義された画期的な出来事だったのだ。
この後、変身サイボーグシリーズは「アンドロイドA」・「宇宙人」をもって展開を終了してしまう為、この「ビクトリー計画」が提唱されていた時期はごく短期間であった。
ミクロマン・トムは、そのストーリーの中で、名前のみが登場する幻のミクロマンである。このストーリーの他にも、25年を経た1999年に展開された「ネオ変身サイボーグ」シリーズのカタログストーリーにおいても、アンドロイドAと共にサイボーグ1号を救出に向う役目として、登場している。
トムは、1999年発売のプレイステーションソフト“小さな巨人ミクロマン”に付属の応募券で当選した、懸賞用ミクロマン・トムとして、その姿が初めて公式に具現化しており、今回のソフトビニール・トムも、そのデザインを踏襲した物となっている。

デザインはM102のカラー替えで、アンドロイドAのようなカーボンブラック(クリアブラック)ボディの仕様になっている。
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ミクロマン・トムストーリー
ミクロマンが地球の平和のために、活躍しているころミクロマンのまったく知らないところで、正義のために戦い続けている人々がいた。
それは…海底基地ネオ・ノーチラスの片貝博士やサイボーグ、アンドロイドAたちであった。彼らは侵略者から地球を守るために日夜活動していた。つぎつぎに起こる怪事件の調査のためにミクロマンたちが会議を開いていたとき、カプセルの受信装置がかすかな電波をとらえた。奇妙な電波は徐々に強くなり近づいてきたのだ。しかもそれは352.453メガヘルツで大水晶体からの周波数と同じなのである。そして電波が最大に強くなったとき、なにものかが、ミクロマン基地であるビルの屋上に降り立った。
…なんという事であろう。ミクロマンを超大型化したような奇怪な人間と動物がいたのだった。一瞬、謎の事件を起す敵だと思いミクロマンは攻撃態勢に入った。しかし味方である事を、テレパシーによって確認し、互いの目的が同じ事を知って、ミクロマンとサイボーグは、地球の平和のために堅く手を結びあったのだった。そしてミクロマンはネオノーチラスで分子結合による武器開発を進める片貝博士に仲間のトムを派遣し、ミクロマンとサイボーグの結合マシンの完成を進める一方、博士の協力により、超合金スーパーミクロン製の円盤製作にとりかかった。
平和を願うミクロマンは同じ目的のサイボーグとともに、侵略者撃退の壮大な計画を強力に進める事に合意し、これをビクトリー計画(V計画)として全世界のミクロマンにこれを発信した・・・

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